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Recording,Mixing,Mastering Engineer
Hammond Organ with Footbase Player
1959年7月17日、広島県福山市出身。テナー・サックス奏者の父(故北村秀人)とピアニストの母(故北村文乃)を持ち、ジャズを子守歌にして育つ。幼少より半田鏝(ハンダゴテ)を扱い、3歳ではラジオを完成させ、6歳よりハモンドオルガンに魅せられジャズを弾き始める。
小学生時代よりロックバンドを始め、高校時代には東池袋音楽祭で最優秀キーボード賞を受賞、また当時、『初歩のラジオ』、『子供の科学』、『Professional Audio』、『無線と実験』への執筆し、大学時代には『エフェクター入門』(誠文堂新光社)を執筆。
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| 大学卒業後、TEACに入社し、テープレコーダ等の修理業務を経た後、プロオーディオ機器やケーブルの開発、製造も行うようになり、オーディオシティーに入社。以後、オーディオ機器のチューニングアップ、特性変更、改造や修理等、全国各地から受けた依頼をこなす中、いち早くコンピュータの構造を研究し始め、これを機にエンジニア業へと移行して行く。以前より行っていたミキサー業の経験も生かし、プロトゥールスの第一人者となり、約1,000タイトルのマスタリング、ミキシング、レコーディングを手がけており、その音作りの感性と技術には熱い信頼を得ている。配信用マスタリングにおいても、その高いクォリティーを保っている。 |
北村秀治が全てのエンジニアリングを施し、Swing JOURNAL誌上で最優秀録音賞を受賞したエリック・アレキサンダー・カルテットの作品『マイ・フェイバリット・シングス』について、レコーディング時の様子などちょっとした裏話をどうぞ。
この作品の仕上がりは、
北村本人も納得している。
最優秀録音賞…、なんだそれは?っと言う感じ。
ジャズに最優秀録音は関係ないでしょう。あの作品が出来るにあたって、参加したスタッフやプレイヤーの気持ちのコミュニケーションが上手くいって、たまたま良い演奏をしてくれたから、たまたま良い作品が出来た、っていう感じだね。
かつて知人からの依頼で設計した「楽しい演奏が出来る」というコンセプトで作ったスタジオを使用して、実際に自分自身もここでプレイしたこともあるし、どうやったら使いやすいかとか演奏しやすいかとか自分なりに分かっているつもりで、それが上手く当たった。だからサックス以外は全員ヘッドホンもかけずにレコーディングが出来たし、他のメンバーも楽しんでくれた。そして、客は俺を含めたスタッフ。だから、録音という目的よりも、演奏を楽しむっていう方向にメンバーが向いてくれたんだね。録音するから良い演奏をしようというような気負った気持ちがあったら、逆にあんな演奏はできないしね。プロデューサーのエゴによる演奏を規制するような意見(リテイク等)を極力排除して、みんなで楽しんだ結果出来た作品。だから音合わせを含めてエンジニアの立場としては、ミスが許されない全て一発勝負なんだ。トラブルが起こってもプレイヤーに分からないようにする、俺のレコーディングのスタイルの効果が良い方向に出た気がしたな。
レコーディングのスタイルは機材にこだわらず(勿論基本的には良い機材だけど)、当たり前にある物でやる。何かの音にこだわって特別な事を一切しない。全員、同じ機材を使うから、音がよく混ざる。音のかぶりも積極的に利用するから、コントロールルームでモニターしているときには、もう音は出来ている。その状態でどんどん録音を続けて行けるから、仮にちょっとしたプレイのミステイクがあってもオーケーの判断がよく分かる。結局、緊張感を強く与えることなく、普段の実力以上のプレイヤーの強力なパワーを発揮させる事ができたみたい。いろんな意味で、満足できるものだったね。
音作りについては、いろいろ外部から意見を言う人がいたが、結局は全部それを無視して俺の独断で好きにやった。勿論、今持っている最高のシステムを使って。一般的にはCDにするのに、マスタリングの作業があるが、俺のシステムはその行程が無い。クレジットにはそれらしい事が書いてあるが、CDをターゲットにしたダイレクトミックス方式で、ミックスをしている。だから、他の俺がやっていないCDとは音が違う。このアルバムは、裏話になるが、ファーストロットとセカンドロットが微妙に音が違う。もし暇な人がいたら、聞き比べてみると面白いよ。俺が本気でやったのはセカンドロットかな。
今考えられる事は、たまたまこういう賞を貰ったけれど、俺にとっては意味が無い。その賞自体の趣旨がよくわからない。一つの良いジャズのアルバムが作れたとは思っているけれど、その評価は良いプレイをしたミュージシャンや楽器をセットしたスタッフ、調律師、あと立ち会った人々、このメンバーが作り出した空気を作品として評価して欲しい。良い音に定義は無いから。それはただの技術じゃ無い。俺にとって、作品の善し悪しは評価するべきものでは無いと思う。でも結果的にこのアルバムが作れた事は、自分を含めて関わったみんなをハッピーにしたのかな。
どういう録音方法を使ったかとかセッティングについては、聞かれりゃ答えるけれど、その場に合わせてやった事だから、特別なコンセプトは語るに及ばない。レベルがどうのこうのとか、どんなエフェクターを使ったんだろうとか、勝手な想像で評価される評論家さんもいるけど、そんなの何の意味も持たないよ。なぜなら、そういうオーディオ的な評価をしている人達に俺がやっていることを見抜けた人は皆無だから。そんな事を考えずに、純粋に音楽を楽しんで欲しいな。
別に自慢じゃないけど。